調和のとれた家
- 竣工
- 2020年
- 設計
- 自社
初めてヒアリングシートをいただいた時、施主様はL型の住居を希望されていました。
自宅での仕事が多いとお聞きした時、仕事の合間にふと窓の外を見ると子供が庭先で遊んでいる、という風景が浮かびました。
そのためL型をうまく利用して光が入り、風が流れる家をプランいたしました。
昔から神社仏閣にもバランスがあり、それはとても重要なものです。
一般に屋根の勾配は決まっていますが、上下の屋根の勾配を変える事によって二階部分のバランスを保つようにしました。
建物は低く見せつつ、室内は充分な高さを確保してあります。
カーポートについても色々試行錯誤がありましたが、縦型にすることで自宅の横に配置し、家の外観を綺麗に見せるよう考慮しました。
リビングからは庭先が眺められ、畳の暖かさが足元に感じられるリラックスできる空間になりました。
フローリングと畳、段差が一切無い作りを心がけました。
小さい工夫ですがとても喜ばれています。
玄関からは見えないように洗面台を配置。
リビングに入る前に手洗いをすることができます。
お子さんが乗られている小さな踏み台も造らせていただきました。
くるみの木を使い、洗面台カウンターを作成しました。
木材の腐食した穴に他の木材を埋め込んで補修する「埋木」という技があります。
このカウンターにはお子様が喜ばれるようにタヌキの細工を施しています。
ウッドブラインドの向こうには施主様のご希望で付けた鎖樋と庭の緑を見ることができます。
憂鬱な雨の日も、ずっと眺めていたくなる風景に変えてくれます。
通常より少し幅を広くし、踊り場を四角くしたことで、子供からお年寄りまで上り下りのしやすい階段となっています。
施主様の希望で寝室は畳となりました。
通常カウンターの下は床板ですが、畳を延長することで座りやすく広く見える空間になりました。
布団を使用していると聞き、寝室の押入れは”すのこ仕様”となっています。
扉も大きいものを2枚とし、通気性がよく、出し入れのしやすい押入れとなりました。
階段上の空いたスペースを、ちょっとした作業のできる共用の場所に。
スペース正面東側のすりガラスのFIX窓からは明るい光が入り、快適な空間になりました。